たとえば、脳性まひのお子さんの多くが、一旦獲得した運動機能を低下させている現実があります。
自分で歩いていた子どもが成長と共に、いつしか車いす移動になった例を多く見てきました。
原因は「がんばりすぎ」です。
がんばりすぎると必要以上に身体に力が入り、筋肉の緊張が高まります。さらにそれを続けることで、筋肉はより硬くなっていきます。
その状態が続くと身体に負担がかかり、二次障害(変形、拘縮)の原因につながると考えています。身体の構造と機能に合った無理のない使い方をすること、筋肉をゆるめることで身体は楽になります。
リハビリテーションは「がんばる!」ばかりではありません。
これができたら、次はこれ、その次はこれ…と “がんばるリハビリ”や“リハビリの時間をがんばる”のではなく、日常生活の中にちょっとした工夫を取り入れることで、“がんばらなくともできるリハビリ”を目指したいと考えています。